EDC=eCRFという考え方に筆者はずっとモヤモヤっとした違和感を持っていました。そこで今回は、EDCとeCRFの違いについて筆者なりの考えをお話ししたいと思います。
改めてEDCとは何か?
紙媒体であったCRFを電子媒体に変えるだけ、すなわちCRFとよく似たインターフェース(見た目)の画面を作るだけであればeCRFということになると思います。
しかし、単に媒体が紙から電子に変わるだけではありません。
かつて紙のCRFを使用していた時代には、データは手書きでCRFに記録され、その後、回収されたCRFの内容をデータベースに入力してデータ化されました。このデータが統計解析に使用されます。EDCとは、これらのプロセスを一体化したものです。すなわち、CRFとデータベースおよび一連のプロセスを一体化したものがEDCです。
EDCの特徴
EDCの最大の特徴は、データが入力された瞬間にデータ化されることです。これにより、データの集計や解析が迅速に行えるようになります。また、データ入力の際にリアルタイムで検証(データチェック)を行うことが可能となり、エラー発生のリスクを減少させることが可能となります。
デザインの重要性
以上のことを踏まえると、EDCをデザインする際には、単に「入力しやすい」画面を考えるだけでは不十分です。
入力者が使いやすい画面設計はもちろん重要ですが、同時に「集計・解析しやすい」データベース構造を念頭に置く必要があります。これによりEDCの特徴を活かすことが可能となります。
つまり、EDCをデザインする際には、二つの重要な視点があります。
一つは入力者(ユーザー)が入力しやすい画面(インターフェース)を創造するセンス、
もう一つは分析者(ユーザー)が解析したいこと(エクスペリエンス)を想像し創造するセンスです。
すなわちUIとUX、この二つの視点をバランスよく取り入れることが、優れたEDCデザインには欠かせません。
より良いデザインのために
EDCを効果的にデザインするためには、臨床現場のワークフロー(動線)やデータを入力する際のリスクを十分に理解する必要があります。また、データ解析の目的や方法を理解し、解析しやすいデータ構造を設計することも重要となります。
そのためには、入力者の思考を想像できるための臨床的知識と、分析者の思考を想像できるための統計的知識の融合が求められます。すなわち、この二つの知識を持ち合わせることで、より効果的なEDCデザインが可能となるのです。(大変ですが、頑張りましょう!筆者も日々精進)
まとめ
EDCは単なるeCRFではありません。EDCデザインは、単にCRFを電子化するだけではなく、データの入力から分析までを考慮した包括的なアプローチが必要です。入力者と分析者の双方の視点を取り入れ、入力のしやすさと解析のしやすさを兼ね備えたEDCデザインを目指しましょう。これにより、臨床研究の効率性とデータの信頼性を高めることができます。
この記事が参考になれば嬉しいです。