データマネジメントに関するセミナーや研修をお手伝いする機会があります。この際、いわゆる”グループワーク”を入れてほしいという依頼を受けることが多いのですが、はたして1グループの最適な人数とはどのくらいでしょうか?
経験的には5人~8人が最適という感触を持っています。それより多いと、全員が均等に発言することが難しく、聞いているのみの(一言も発言しない)参加者ができてしまうように感じます。逆にこれより少なくても、特定の発言者の話を他の参加者が聞くようなスタイルになりがちです。もちろん、グループメンバーのキャラクターにも大きく影響を受けますので、必ずしも何名がベスト!と言い切れるものではありません。
そもそもセミナーや研修において、なぜグループワークは要望されるのか?
スクール形式で講師の話しを聞くだけの”座学”では、わかったように感じても、いざ翌日になって自分の仕事に、、、なかなか応用はできない。だから、グループワークで擬似的にでも自分自身の手を動かすことで「そういうことか!」と理解が深まることを期待して、グループワークを導入することが求められているのだと思います。ということは、各参加者が自発的に「応用方法を考える」ことが重要だということになります。
これも私自身の主観ですが、グループワークに参加する意義は、各参加者が、
・自分の考えを人に説明するスキル
・人の考えを聞いて理解するスキル
・その理解した内容を踏まえて、自分の考えをアップデートするスキル
・考えたことを実行するスキル(百聞は一見に如かず→百見は一実行に如かず!)
これらのスキルについて改めて自分自身の現状を見直す機会になることが最も大切だと思っています。
さて、話を戻してグループワークの最適人数を考えるとき、リンゲルマンによる実験が参考になります。この内容を大まかに説明すると:
フランスの農学者リンゲルマンは、綱引き、荷車を引く、石臼を回すなどの集団作業において、作業に参加する人数の変化により一人あたりのパフォーマンスを測定しました。実験の結果、1人の時の力の量を100%とした場合、次の結果が得られました。
2人:93%
3人:85%
4人:77%
5人:70%
6人:63%
7人:56%
8人:49%
つまり、8人で作業すると半分以下しか本気出さないのですね(^_^;)
この現象はリンゲルマン効果と呼ばれ、フリーライダー(タダ乗り)現象、社会的手抜き現象などと言われるようになりました。そして、このような現象が起こる原因として、以下の様な動機付けの低下が考察されています。
・集団での活動において、自分だけが評価される可能性は低い
・優秀な集団の中にあっては、自分の努力の量にかかわらず報酬(結果)は変わらない
・あまり努力をしない集団の中にあっては、自分だけ努力するのは馬鹿らしい
・集団の水準(レベル)に同調する(浮きたくない)
このリンゲルマン効果を踏まえ、何らかの活動をグループ単位で行う場合には5,6人くらいまでにしたほうが良い、という考えが増えたようです。
この問題は、よく考えるとグループワークに限らず、あらゆるタスクにおいても同じことが言えると思います。すなわち、構成メンバーの最適な人数を検討することも大切ですが、上記にある動機付けを一人ひとりに対し丁寧にフォローすることが、そのグループをファシリテートする立場にある人が心掛けるべき大切なことなのだと思います。