データマネジャーに必要な資質:ただの言葉遊びじゃない、その本質とは?

「データマネジャーに必要な資質は何ですか?」と聞かれることがよくあります。

臨床の知識、GCPや法規制、統計知識、最近ではITリテラシーなど、これらの知識は確かに不可欠です。しかし、これらは学んで身につけることができるものです。私が思うに、質問者が本当に求めている「必要な資質」とは、学びだけでは得られない、いわゆるセンスや考え方のベースにあるものではないでしょうか?

ここで、私自身がデータマネジャーとして大切にしている2つのことをご紹介します。それは「創造力」よりも「想像力」そして「応用力」よりも「鷹揚力」です。

創造力より想像力

データマネジメントで本当に重要なのは、部分最適ではなく全体最適です。目の前のタスクが上手くいっても、プロジェクト全体が成功しなければ意味がありません。

例えば、ある臨床試験のデータクリーンアップ作業中、目の前のデータエラーを修正することに集中してしまい、他のデータマネジャーや統計解析など続くステップで苦労することを予測できなかったケースがありました。結果として、後工程で大きな処理が必要になり、全体のスケジュールが遅れてしまったのです。

この経験から学んだことは、次の工程を想像する力がどれだけ大切かということ。目の前のタスクだけでなく、次のステップや最終成果にどのような影響を与えるかを常に考えることが、データマネジメントの全体最適を実現するカギです。

よく耳にする「次工程はお客様」という言葉。この言葉通り、次に作業する人がやりやすいように工夫し、最終的にはプロジェクト全体が円滑に進むことを目指す。これが、想像力の出番です。

応用力より鷹揚力

現場では、予想外のトラブルがつきものです。ときには「こんなトラブル想定してなかった!」という事態に直面することもあります。でも、そこで「聞いてないよ」と落胆しても何も解決しません。

例えば、ある日、思いもよらないデータベースの不具合に遭遇したことがあります。その時は、「え、どうしてこんなエラーが出るんだ?」と困惑しましたが、冷静に状況を受け止め、まずはトラブルを「楽しむ」ことから始めました。「なるほど、こんなエラーもあるのか!」と鷹揚に対応し、問題解決に繋がるヒントを探し出したのです。

この「鷹揚力」が私にとっての鍵です。想定外の出来事に直面したとき、驚きや戸惑いを抑え、冷静に対処できるかが、データマネジャーとしての価値を高めます。もちろん、私も日々この力を鍛えていますが、どんな状況でも一喜一憂せず、状況を冷静に捉えて「面白がる」姿勢が重要だと感じています。

明日からでもできること

データマネジメントは、ただ知識を持っているだけではなく、目の前のタスクを超えて全体を見渡す力、そして予想外のトラブルに対しても柔軟に対応する力が求められます。

では、どのようにしてこれらの力を鍛えるか?まず、日々の仕事の中で「次の工程」を意識し、最終結果を想像する癖をつけてみてください。そして、トラブルが発生したときには「なぜこれが起こったのか?」と楽しんで考える余裕を持ちましょう。そうすれば、いつの間にか想像力と鷹揚力が自然と身についてくるはずです。

この記事が参考になれば嬉しいです。

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